ビュースクリプトコントローラが変数を代入して render() をコールすると、 指定されたビュースクリプトを Zend_View が読み込み、Zend_View インスタンスのスコープでそれを実行します。したがって、 ビュースクリプトの中で $this を参照すると、 実際には Zend_View のインスタンスを指すことになります。 コントローラからビューに代入された変数は、 ビューインスタンスのプロパティとして参照できます。例えば、 コントローラで変数 'something' を代入したとすると、 ビュースクリプト内ではそれを $this->something で取得できます (これにより、どの値がコントローラから代入されたもので、 どの値がスクリプト内部で作成されたものなのかを追いかけられるようになります)。 Zend_View の導入の部分で示したビュースクリプトの例を思い出してみましょう。
出力のエスケープビュースクリプトで行うべき仕事のうち最も重要なもののひとつは、 出力を適切にエスケープすることです。これは、 クロスサイトスクリプティング攻撃を防ぐのを助けます。 それ自身がエスケープを行ってくれるような関数、メソッド、 あるいはヘルパーを使用しているのでない限り、 変数を出力する際には常にそれをエスケープしなければなりません。 Zend_View の escape() というメソッドが、このエスケープを行います。 デフォルトでは、escape() メソッドは PHP の htmlspecialchars() 関数でエスケープを行います。しかし環境によっては、 別の方法でエスケープしたくなることもあるでしょう。 コントローラから setEscape() メソッドを実行することで、 エスケープに使用するコールバックを Zend_View に通知できます。
コールバック関数あるいはメソッドは、 エスケープする値を最初のパラメータとして受け取ります。 それ以外のパラメータはオプションとなります。 別のテンプレートシステムの使用PHP 自身も強力なテンプレートシステムではありますが、 開発者の多くは、デザイナにとっては高機能すぎる/複雑すぎる と感じており、別のテンプレートエンジンをほしがっているようです。 Zend_View では、そのような目的のために二種類の仕組みを提供します。 ビュースクリプトを使用することによるものと、 Zend_View_Interface 実装することによるものです。 ビュースクリプトを使用したテンプレートシステムビュースクリプトを使用して、PHPLIB 形式のテンプレートのような 別のテンプレートオブジェクトのインスタンスを作成し、 それを操作できます。ビュースクリプトをこのように使用する方法は、 以下のようになります。
関連するテンプレートファイルは、このようになります。
Zend_View_Interface を使用したテンプレートZend_View 互換のテンプレートエンジンを使用するほうが簡単だという人もいるでしょう。 Zend_View_Interface では、 互換性を保つために最低限必要なインターフェイスを定義しています。
このインターフェイスを使用すると、 サードパーティのテンプレートエンジンをラップして Zend_View 互換のクラスを作成することが簡単になります。 例として、Smarty 用のラッパーはこのようになります。
この例では、Zend_View ではなく Zend_View_Smarty クラスのインスタンスを作成し、 それを使用して Zend_View と同じようなことをしています。
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