命名規約クラスZend Framework では、クラスの名前が保存先ディレクトリに直接対応するような 命名規約を採用しています。Zend Framework 標準ライブラリの最上位レベルのディレクトリは "Zend/" ディレクトリです。一方、Zend Framework 追加ライブラリの最上位レベルのディレクトリは "ZendX/" ディレクトリです。この配下に、すべてのクラスが階層構造で保存されます。 クラス名には英数字のみが使用できます。クラス名に数字を使用することは可能ですが、 ほとんどの場合はお勧めしません。アンダースコアはパス区切り文字としてのみ使用可能です。 ファイル名が "Zend/Db/Table.php" の場合、クラス名を "Zend_Db_Table" としなければなりません。 クラス名が複数の単語から成り立つ場合は、 それぞれの単語の最初の文字を大文字にしなければなりません。 大文字を連続して使用することはできません。例えば "Zend_PDF" というクラス名は許可されません。代わりに "Zend_Pdf" を使用します。 これらの規約によって、Zend Framework 上で擬似名前空間を定義しています。 PHP に名前空間機能が追加されるようになったら、Zend Framework もそれに対応させます。 それにより、開発者は自分のアプリケーションで名前空間を使用できるようになります。 標準ライブラリや追加ライブラリのクラス名を見れば、クラス名の命名規約のよい例となるでしょう。
抽象クラス一般に、抽象クラスの規約は通常の クラス と同じものとなります。追加の規則として、抽象クラスの名前は最後が "Abstract" (そしてその前にはアンダースコアはつけない) でなければなりません。 たとえば Zend_Controller_Plugin_Abstract は規約にそった名前ではありません。規約に従った名前は Zend_Controller_PluginAbstract あるいは Zend_Controller_Plugin_PluginAbstract となります。
インターフェイス一般に、インターフェイスの規約は通常の クラス と同じものとなります。追加の規則として、インターフェイスの名前の最後は "Interface" (そしてその前にはアンダースコアはつけない) にすることもできます。 たとえば Zend_Controller_Plugin_Interface は規約にそった名前ではありません。規約に従った名前は Zend_Controller_PluginInterface あるいは Zend_Controller_Plugin_PluginInterface となります。 この規約は必須ではありませんが、強く推奨します。 そのファイルがクラスではなくインターフェイスを含むものであることが 開発者にわかりやすくなるからです。
ファイル名すべてのファイルにおいて、使用可能な文字は英数字・アンダースコア およびダッシュ文字 ("-") のみです。空白文字は使用できません。 PHP コードを含むすべてのファイルの拡張子は ".php" でなければなりません。 ただしビュースクリプトは例外です。次の例は、Zend Framework のクラスに使用できるファイル名を示すものです。
ファイル名は、上で説明したとおりの方式でクラス名と対応していなければなりません。 関数およびメソッド関数名に含めることができるのは英数字のみです。 アンダースコアを使用してはいけません。 数字を含めることは可能ですが、ほとんどの場合はお勧めしません。 関数名は小文字で始めなければなりません。 関数名が複数の単語で構成されている場合は、 各単語の最初の文字を大文字にしなければなりません。 一般に、このフォーマットは "camelCaps" と呼ばれています。 関数名は省略しすぎないようにしましょう。 コードを理解しやすくするため、 現実的な範囲でできるだけ詳細な名前をつけるようにしましょう。 条件を満たす関数名の例を示します。
オブジェクト指向のプログラミングでは、 インスタンス変数や静的変数にアクセスするためのメソッドは "get" あるいは "set" のいずれかで始めなければなりません。singleton や factory などのデザインパターンを使用する場合は、 メソッド名にパターンの名前を含めるようにしましょう。こうすることで、 どのパターンを使っているのかがわかりやすくなります。 オブジェクト内で "private" あるいは "protected" と宣言されているメソッドについては、メソッド名の最初にアンダースコア 1 文字をつけなければなりません。アンダースコアを使用できるのは、 この場合のみです。"public" と宣言されているメソッドについては、 決してアンダースコアで始めてはいけません。 グローバル関数は、できる限り使用しないようにしましょう。 このような関数は、静的クラスにまとめることを推奨します。 変数変数名に含めることができるのは英数字のみです。 アンダースコアを使用してはいけません。 数字を含めることは可能ですが、ほとんどの場合はお勧めしません。 クラス内で "private" あるいは "protected" と宣言されている変数については、変数名の最初にアンダースコア 1 文字をつけなければなりません。アンダースコアを使用できるのは、 この場合のみです。"public" と宣言されている変数については、 決してアンダースコアで始めてはいけません。 関数名と同様 (上の 3.3 を参照ください)、 変数名も常に小文字で開始する "camelCaps" 方式を使用しなければなりません。 変数名は省略しすぎないようにしましょう。現実的な範囲で、 できるだけ詳細な名前をつけるべきです。"$i" や "$n" のような省略形が許されるのは、小さなループ内で使用する場合のみです。 ループが 20 行以上のコードになるようなら、 そのループ変数にはそれなりの名前をつけるべきです。 定数定数名には英数字およびアンダースコアを使用できます。 定数名には数字を使用してもかまいません。 定数名は、常にすべて大文字にします。 定数名の単語の間はアンダースコアで区切らなければなりません。 例えば EMBED_SUPPRESS_EMBED_EXCEPTION は許されますが、 EMBED_SUPPRESSEMBEDEXCEPTION は許されません。 定数を宣言する際には、クラスのメンバとして "const" で定義しなければなりません。"define" によるグローバル定数の宣言も可能ですが、お勧めしません。
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